★これからの「沖縄米軍基地」と「日米安保」の話をしよう!★

沖縄米軍基地問題

 

◆“沖縄基地問題”女性殺害事件の考察 | 沖縄米軍基地関係者個人の犯罪を政治問題化することの是非 | サミットで日米首脳が議論すべき優先課題とマスメディアの残念な報道 | 日米同盟と日米安保の建設的な議論◆

 

5月25日の深夜のニュースにて、サミット前に日米首脳、つまりは安倍総理とオバマ大統領の会談が実施され、共同会見が放送されました。併せて、沖縄県の翁長知事の会見と、沖縄県議会より抗議決議と意見書が可決されたとの報道を見て違和感を覚えたので、少しだけ綴りたいと思います。なお、価値観は人それぞれですし、日本国憲法第19条にて、思想・良心の自由についても規定されておりますが、彼らの主義主張への「否定」ではなく、個人的な「意見」「見解」であることを先にお断りしておきます。TV放送や新聞の断片的な情報を鵜呑みにするのではなく、一人一人が頭を使って考えるキッカケにしていただければ幸いです。

 

 

●20歳の被害者女性にご冥福を。殺人/死体遺棄をした犯人に厳罰を●

 

先ず、被害に遭われ亡くなられた20歳の女性に心から哀悼と遺憾の意を申し上げます。女性を暴力的に蹂躙し危害を加え、殺人という最低の行為に及んだ犯人には厳罰を望みます。日常の生活を突然かつ暴力的に奪われる恐怖と痛みは計り知れず、被害に遭われた女性とそのご家族&親族の皆さまの辛さ苦しさを思うと言葉にもなりません。だからこそ「罪には罰を!」と声を大きくして叫びます。犯した罪の大きさに対して、法に乗っ取った処罰が確実に実施されることを切に望みます。

 

ここで問題になってくるのが、「量刑の妥当性」でしょう。殺人罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役とされています。今回の場合は殺人、もしくは強姦致死となるかと存じますので、執行猶予がつく余地はないと考えますし、過去の類似事例からは、無期懲役の判決が出ている事例が多く見られますので、恣意的に減刑されることのないように、しっかりとした事実確認と裁判を実施していただきたく思います。

 

 

●米軍基地関係者個人の犯罪を日米安保や米軍基地と結びつける反体制派の品位●

 

私が最初の違和感を覚えたのが25日深夜の「日米共同記者会見」についてです。日米首脳会談において、約1時間に及んだ会談のうち、少人数会合では全ての時間を元米兵による女性遺体遺棄事件に割いたと説明されました。安倍首相より厳重抗議と、実効的な再発防止策の徹底など厳正な対応を求められたこと、そして、オバマ大統領が哀悼の意を述べた上で「全面的に捜査に協力する」と発言されたことは、実に適切な対応が実施されたと考えます。また、日米で協力して、沖縄の基地負担の軽減など、全力を尽くしていくことで一致したとも述べられています。

 

今後は日米の政府高官や実務者レベルで、この「実効的な再発防止策」について適切な議論を重ね、沖縄の基地負担の軽減などの具体的なアクションプランを詰めていくことが大切です。日米地位協定の改定を求める契機にもなるでしょう。一方で、米軍の元兵士(個人)の一つの犯罪を、日米の首脳が多大な時間を使って議論すべき内容でしょうか? サミットという貴重な機会を前に日米の間で議論すべき事案は星の数ほどあり、日本のマスメディアの姿勢の問題もあり、日米間の課題や協力の重大性評価を勘違いしているのではないか? と感じずにはいられません。

 

日米首脳会見のプレスリリース(→日米共同記者会見)にもございますが、「不透明感を増す世界経済」「国際秩序に対する挑戦」について、サミットでどう調整を図っていくのか? また「オバマ大統領の被爆地 広島の訪問(米国のリーダーとして初めて)」の機会をどのように活用していくのか? そして何よりも、大統領交代を控えた今後の「日米同盟」「日米安全保障条約」について、信頼関係をどのように継続、強固なものにしていくのか? これらの議題がより重要であり、より時間を割いて実施すべき建設的な議論ではないでしょうか? 

 

にも関わらず、沖縄での一事件に首脳会談の争点が集中し、多大な時間を使われたことは、沖縄県の翁長知事のパフォーマンスに安易に便乗したマスメディアのミスリードではないでしょうか? 誤解していただきたくないのは、女性殺害事件が重大な事件ではないと主張しているのではなく、首脳会談で重点的に議論すべき内容か? ということです。感情的な議論には生産性がないことをお互いに理解しながら、感情的な報道によって対応せざるを得ない事態は、日米両方にとって不幸以外のなにものでもなく、マスコミの報道姿勢は理解に苦しむと言わざるを得ません。

 

 

●日米首脳会談の骨子(沖縄県での米軍属事件に対する部分)●

 

・安倍晋三首相が断固抗議し、オバマ大統領は心からのお悔やみと遺憾の意を表明

・首相が実効的な再発防止策など厳正対処を要請し、大統領は日本の司法の下での捜査に

 全面的に協力

・日米両国が協力し沖縄の基地負担軽減などに全力を尽くすことで一致

 

<事件の事実関係>

・沖縄県うるま市在住の20歳の女性が遺体で発見された。

 (被害者氏名は報道すべきではないと思うので控えます)

・遺体を遺棄した疑いで、元海兵隊員のシンザト・ケネフ・フランクリン氏を

 沖縄県警が逮捕。

・容疑者(シンザト・ケネフ・フランクリン被疑者)はアメリカ米軍嘉手納基地の従業員。

 →軍人ではないために基地外の一般の住宅に居住していた。

・死体遺棄容疑に加え、強姦致死/殺人の疑いがあり、現在事情聴取が進められている。

 →「女性をナイフで刺して殺した」「強姦した」と殺害と性的暴行を認める供述を

 しているとのこと。

 

オバマ大統領が遺憾の意と、捜査に全面的に協力し、日米両国が協力し沖縄の基地負担軽減などに全力を尽くすことが表明されて、何が不満だというのでしょう? 隣の半島のような論理の通らぬことや無理難題を騒ぎ立てることを、最重要な同盟国であり一番の貿易相手国であるアメリカに実施することが、良識のある判断であり、日本の国益に叶うと言えるのでしょうか? 加えて、個人の犯罪に国家が責任を負うべきなのか? 個人の犯罪を政治問題のパフォーマンスとして利用することが正義か?(正義という言葉は好きではありませんが、卑劣ではないと言えるか?)などなど、考えるべきことはたくさんあると考えます。

 

 

●日米地位協定について●

 

これまでの米軍関係者による犯罪の理不尽な対応(不拘束で事件処理されてたり、米側に刑事事件の裁判権が優先される)の歴史を見れば沖縄県民の方の怒りはもっともであり、ドイツのボン補足協定では、ドイツ国内法が適用され、順守義務を駐留NATO軍に課していることを考えれば、不平等な日米地位協定の改定に向けて日本の要求を伝え、議論していくことは価値がありますし、是非とも建設的な議論をしていただきたい。

 

がしかし、沖縄県議会が議決した「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設断念」と「在沖米海兵隊の撤退」が今回の事件にどう関係するというのでしょう? 米軍基地がなければ本事件は起こらなかったという意見でしょうか? この点については、永江一石さんの数字を元にした分析(→米軍基地があるから殺人事件が起きる→基地は出て行けの違和感)や橋下徹氏の発言(→橋下徹Twitter)をご覧ください。支持せよなどと言うつもりはありませんが、至極まっとうな主張だと思います。

 

※ちなみに私はよっぽど通名やなんやらの方が問題だと思っています。一部でもこんなにある。(→在日韓国・朝鮮人の事件年表

 

問題は沖縄米軍基地に所属していた一個人の犯罪を政治問題化する左寄りの方に肩入れをするマスメディアであり、そんな報道や放送を見て自分の頭で考えることの出来ない方々であると言えば言い過ぎでしょうか? 公平な報道をしろとは日本のメディアに望むべくもありませんが、合理的かつ建設的な論点くらいは示して欲しいと切に願わずにはいられません。

 

 

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