◆「地方公務員就職」一般行政職における職員採用について(知多市職員採用)「自治体職員採用」(2018/09)◆
●職員採用における問題意識と課題(地方公務員採用)
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「人材が重要な役割を担う地方行政において優秀な職員獲得に向けた取り組みが必要である」
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「公務員採用は、受験者が応募しやすく、受験資格が公平であり、選考が適性&能力基準で、試験が定量的であり、評価が公正で透明であることが望ましい」
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「現状の知多市職員採用には課題があり、改善できることが多々あると考える」
●2020年4月知多市職員採用試験の変更点(追記)
- 受験申し込みの郵送による提出が認められるようになりました。微々たる改善ですが、申込者の負担を減らせたのは良い改善であると考えます。引き続き、WEB(インターネットや電子データ)による申し込みが可能となるよう働きかけて参ります。
- 問題提起した筆記試験を課さない自己推薦試験(自己PRと面接のみ)は変更されて、職員採用にSPI試験が課されることになりました。公正性に問題のあった仕組みは変更され、SPI試験という透明で民間と併願がしやすい試験導入に変更がされた点は評価できます。
- 受験資格は、学歴は大卒以上、年齢制限は25歳以下と、厳しい制限を課している点は問題であり、引き続き、本要件の緩和を働きかけて参りたいと考えております。
●質問の背景
住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う行政の仕事は、売買する製品やサービスが明確である民間企業と比べても、人が担う役割が大きく、人材がすべてといっても過言ではあない。自治体にとって職員が事業の要であり宝である。
そのような中で、一般行政職においては、中途採用がほとんどなく、いわゆる新卒採用から定年まで約40年間働くことが一般的であり、生涯賃金を考慮すれば正規職員1名の採用は2億円~3億円の投資である。人材が重要で大きな投資であるからこそ、優秀な職員獲得に向けた取り組みが重要であるのではないか。
知多市では、本年より一般募集枠の中に「一般教養試験を行わない採用試験」を実施する一方で、近年「学歴制限や年齢制限を厳しく」するなど、試験内容を緩和して受験資格を厳格にする変更をしている。
この年齢や学歴で採用の入り口を制限する変更は、機会均等に逆行する取り組みであり、適切ではないと考える。行政の職員採用は機会均等と公正性を重視すべきであろう。
- 「受験者が応募しやすい環境を整備すること」
- 「受験資格が障壁や先入観などを取り除いて公平であること」
- 「選考が応募者の適性・能力のみを基準として行われること」
- 「試験が定量的に評価できる項目であること」
- 「評価が公正で透明性の高い内容であること」
職員採用は,以上の条件を満たすことが望ましい.との問題意識に基づき「一般行政職における職員採用について」質問を実施。
Q1.職員採用の過去5年の動向及び実績について
1-① 一般採用の受験者数、合格者数及び採用者数:
- 平成25年度は、受験者数58人、合格者数13人、採用者数13人(男性7人、女性6人)
- 平成26年度は、受験者数142人、合格者数28人、採用者数28人(男性17人、女性11人)
- 平成27年度は、受験者数93人、合格者数23人、採用者数22人(男性9人、女性13人)
- 平成28年度は、受験者数133人、合格者数26人、採用者数23人(男性12人、女性11人)
- 平成29年度は、受験者数158人、合格者数32人、採用者数27人(男性18人、女性9人)
1-② 社会人経験者採用の受験者数、合格者数及び採用者数:
- 平成25年度から平成28年度までは、募集をしていない。平成29年度は、土木建築の区分で、受験者数2人、合格者数1人、採用者数1人。
Q2.職員採用試験について
2-① 一般採用試験の内容:
- 第1次試験では一般教養試験、論文試験、職務の適性を審査する検査。第2次試験では集団面接、第3次試験では個人面接。
2-② 一般教養試験の実施方法:
- 採用試験の統一実施について、県内各市で試験実施日程や方法を協議し、試験問題の提供、採点及び結果の処理を公益財団法人日本人事試験研究センターに委託して実施。
2-③ 一般教養試験を課さない選考:
- 今年度から、多様な受験者を確保するため、一般教養試験を行わず、これまでの経験や意欲などを重視する「自己推薦試験」を導入してる。
- 試験内容は、第1次試験では、自分の特技や経験などアピールしたいことを記述する自己PR試験、論文試験、職務の適性を審査する検査を行い、第2次試験では集団面接、第3次試験では個人面接を実施。
Q3.採用選考における公正性の確保について
- 地方公務員法において、競争試験又は選考によるとされており、知多市では募集要項を定めて、競争試験を実施している。試験区分や面接の段階に応じて面接方法や面接官を代え、採用選考の公正性を確保している。
Q4.職員採用の多様化について
4-① 申込書類の受付方法:
- 受験者本人に直接窓口へ申込書類を持参していただき、提出時に書類の記載内容を確認して受け付けている。
4-② 年齢制限緩和の考え:
- 職員の年齢別構成の適正化を図る観点などから、職種ごとに、現在の受験資格の年齢制限を設けており、現時点で年齢制限を緩和する考えはない。
4-③ 学歴制限緩和の考え:
- 多様化、高度化する行政事務の遂行には、一定の知識、経験等が必要であり、大学卒業の資格要件について、緩和する考えはない。
4-④ 民間試験を活用する考え:
- 土木建築など技術系の人材は確保しにくい状況にある。民間企業で広く利用されている試験を導入することで、受験者数が増加したという他自治体の事例もあるので、今後、研究を進めていきたいと考えている。
4-⑤ 社会人経験者採用枠の拡大の考え:
- 即戦力となる様々な経験や能力、専門性を持った人材の確保は必要であると考えている。今後も、必要な職において社会人経験者の採用をしていきたい。
Re-Q①:採用者数の男女の内訳は?
- →Q1へ統合。
Re-Q②:採用人数の方針は?
※知多市は年度毎に採用者数に大きなばらつきがあり、かつ本市は同規模の自治体と比べて多くの人員を採用しております。例えば、人口が同規模の、大府市や日進市、蒲郡市は、10名~15名程度の採用に留まっている。
- 退職者相当数を基本にしている。ここ数年、退職者数も多く、毎年度、事務事業の増減、組織体制等を踏まえて採用人数を定めている。
Re-Q③:適性を審査する検査とは?
- 民間企業が提供している作業検査法の一つで、検査によって、習熟効果やストレス耐性、情緒安定性などを把握するもの。
Re-Q④:1次試験の「一般教養試験」「論文試験」「職務の適性を審査する検査」の配点比率は?
- 「一般教養試験60%」「論文試験30%」「職務の適性を審査する検査10%」
Re-Q⑤:採点結果の点数の公開及び本人への通知の有無は?
- 点数の公開はしておらず、本人に合否のみを通知。
Re-Q⑥:一般教養試験を行わない「自己推薦試験」による採用予定人数は?
- 本年度、事務は3人、土木建築は2人、社会福祉士は1人を募集。
Re-Q⑦:自己推薦内容を記述する自己PR試験について具体的には?
- 試験当日に会場で、30分の限られた時間内に、これまでの自分の経験や能力をどのように公務員の仕事につなげられるのかという点を、表現させる試験。文章以外に、図表や絵で表現することを認めている。
Re-Q⑧:自己PR試験の評価の公正性をどのように確保しているのか?
※一般教養試験というペーパーテストの点数で評価できる試験方式と違い、自己PR試験や論文試験、面接試験は定性的な評価が可能になる。定性的な評価が悪いと言っているのではなく、従来の一次試験では、一般教養試験で一定点数以上を採らねば突破できず、一般教養試験の点数を不当に扱わない限りは、公正性が担保された試験である。
※そして、論文や二次試験の面接等で筆記試験以外の能力や意欲、適性を測っている。一方で自己PR試験は採点や、定量的な評価が難しいと考えており、点数化、もしくは、複数人のクロスチェック体制、等の自己PR試験の評価の公正性をどのように確保しているのか伺う。
- 自己PR試験は、複数の評価項目を設定し、複数の評価者により採点、点数化することで公正性を確保している。また、このPR試験の内容は、2次試験以降の面接にも使用している。
Re-Q⑨:職員採用試験への郵送による申込受付の考えは?
※受付は申込者に負担を強いることがないよう、郵送受付を実施すべきであると考える。
※全国の多くの自治体で郵送による受付をしており、愛知県では豊田市、尾張旭市、田原市、みよし市他で郵送提出を認めている。
- 申込者の負担等にも配慮し、郵送での受付を今後検討していく。
Re-Q⑩:EXCEL等他の様式での申込書類の提供、及びインターネット経由で申し込みができるようにする考えは?
※現状、申込書はPDF形式で提供している。PDFは記入のハードルが高く、紙での提出は、受付側も管理や集計に手間がかかる。
※栃木県の大田原市や大阪府の富田林市、和泉市、四條畷市などで申込フォーム等を活用してWEBエントリーを実施している。愛知県瀬戸市では原則インターネット申込。
※管理や集計の面から合理化することが可能であり、受験者にとっても負担が少なくなり親切であるネット経由の申し込みの考えについて伺う。
- EXCEL等の電子データでの提供及びインターネット経由の申込みについて今後研究していく。
Re-Q⑪:知多市の受験資格は近隣市と比較しても厳しい制限であり、受験資格の年齢制限、学歴制限の根拠は?
※知多半島5市の平成31年4月1日採用予定の事務職の受験資格は以下の通り。
・半田市では平成3年4月2日生まれ以降の短大卒以上、高校卒は別枠。
・大府市では平成3年4月2日生まれ以降の大卒、または、平成元年4月2日生まれ以降の大学院修士。
・東海市では昭和63年4月2日生まれ以降の短大卒以上、高校卒は別枠。
・常滑市では昭和53年4月2日生まれ以降の短大卒以上。
この状況を踏まえて伺う。
- 現在の職員構成として20代後半の職員が多くなっているため、受験資格の年齢要件を昨年度、事務職で従来の30歳から25歳までに引き下げた。
- 一方、応募者の少ない土木建築及び社会福祉士を40歳までに引上げた。
- 一般行政職の学歴については「大卒もしくは短大卒」の要件を「大卒」の要件としている。このように職員の年齢構成や職種に応じて受験資格の年齢と学歴を設けている。
Re-Q⑫:知多市の職員採用の大卒以上の受験資格を緩和する考え、及び高校卒の採用枠を設ける考えは?
※2時間の一般教養試験の代わりに30分の自己PR試験はおかしいのではないか? 30分で何が書けて何を評価するというのか?
※試験内容を緩和化して入り口を狭くすることは大いに疑問。
※受験資格の変更により、短大卒の方と大卒の26歳~30歳の方は、本市の職員採用の受験資格を失った。これは、知多市役所職員を目指して短大に進学された方や、20代後半の方が、市役所職員を希望して働ける可能性を失ったことをを意味する。
※大学全入時代を迎え、大学は選ばなければ誰もが進学できる時代。大学進学をするか否かは、本人の学力だけではなく、大学の授業料など費用面の負担を解決できるかという家計によるところが大きく、本人の努力ではいかんともしがたい家庭環境によるものが大きく影響する。
※市役所職員の大多数を占める一般行政職において、大卒以上しか応募を認めないというのは不平等。
※東海市と半田市が事務職において、高校卒と短大卒以上を分けて採用しており、常滑市は受験資格を短大卒以上としてる現状を踏まえ、受験資格の緩和と高卒採用について伺う。
- 一定の知識、経験等は必要であり、大卒を現試験の受験資格要件としている。応募者数も充足しており、大卒の受験資格要件を緩和する考えはない。
- 知多市では、職種によって高卒の採用枠を設け、毎年募集をしている(※注:一般行政職以外)。
- 一般行政職で高卒の採用枠を設けて募集している市は県内37市中10市程度と少なく、知識や経験を重視し、知多市においては高卒の採用枠を設けていく考えはない。
●職員採用における要望と提案①:職員採用試験の申込方法・受付方法について
- 申込受付は郵送での受付の速やかな導入をお願いしたい。また、申込書類のEXCEL等の電子データ提供とインターネット経由の申し込みについても、こちらも早急に対応いただきたい。
- 郵送申込が受け付けられても、申込書類へ直筆で紙に書くという現状は変わらない。私が新卒就活を実施した15年以上前でさえ、民間企業へのエントリーは紙からWEBに移行していた。これは、アナログが悪くてデジタルが良いの話ではなく、利便性の高いものをなぜ導入しないのかという問題。
- 申し込みが紙への直筆でなければならない理由があるとは思えない。導入自治体の事例を参考にしていただくとともに、市サーバに接続しなくても、セキュリティが担保された格安で利用できるSSL付き申込フォームサービスが民間では数多く提供されているので、検討いただきたい。
●職員採用における要望と提案②:採用人数及び職員採用試験の受験資格について
- 申し込みが紙への直筆でなければならない理由があるとは思えない。導入自治体の事例を参考にしていただくとともに、市サーバに接続しなくても、セキュリティが担保された格安で利用できるSSL付き申込フォームサービスが民間では数多く提供されているので、検討いただきたい。
- 平成25年度と平成26年度で採用人数に倍の開きがある。退職者相当数を採用するとのこと、年度によって採用人数を大きく変動させるのは望ましくないと考える。定年退職予定者数はほぼ正確に人数が確認できる数字であり、年度毎に退職者相当数を補充するのではなく、年齢構成に配慮するためにも、できるだけ採用者数の平準化を図る計画を立てていただきたい。
- 労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないという、雇用対策法第10条は、公務員については適用除外だが、年齢制限や学歴制限をすることが違法ではないからといって、自由に厳しくしても良いということではないと考える。
- 知多市は従来の年齢制限30歳までとしていたものを25歳に引き下げた。また、学歴制限を「大卒もしくは短大卒」としていたものを「大卒」に限定した。これは短大卒及び26歳から30歳までの方の、雇用機会を奪ったことを意味し、緩和して機会を多く与えるならともかく、制限して機会を減らすことが公正で有益な施策であるとは思えない。
- 一定の年齢別構成を図るという方針は理解できるが、20代後半の職員が多いのは採用試験の結果であり、20代後半の職員が多いと市政運営上支障をきたすとは思えず、採用を毎年の退職者相当数の補充ではなく、平準化する計画を立てれば解決できる問題である。
- 知識を問うのであれば筆記試験が最も妥当であり、職員になるのに経験が必須とするのか? 地域行政に携わる仕事がしたい、知多市の発展や住民の福祉の増進のために働きたい、という意欲のある人材に対して、適性やポテンシャルの有無や能力を、競争試験または選考で選ぶべきであり、大卒の25歳以下だけを対象にするのは、公平性の観点からも疑問である。
- 意欲と能力のある人材を教育や研修を通じて育成することが、組織として取り組む課題であり、目指すべき姿であると考え、年齢制限と受験制限の緩和を提案する。同様に、熱意ある高校卒の人材は、十分に活躍できる機会があると考え、一般行政職の高校卒枠の設定を検討していただきたい。
●職員採用における要望と提案③:職員採用試験の公正性について
- 多様で優秀な人材の確保に向けて、「自己推薦試験」を導入するという新たな試みは理解できるが、これまでの自分の経験や能力をどのように公務員の仕事につなげられるのかという点を、30分で表現させる試験はあまりにも稚拙である。
- 手書き30分で書ける量は、大体400字程度(原稿用紙一枚相当)である。2時間の一般教養試験の代わりに、30分の試験を課すことは、公正に評価できるかの観点からも疑問である。自己PR試験を課すのであれば、自己PRが十分にできる時間と内容とすべきであり、採用試験の手間暇を惜しむべきではない。
- 受験資格を制限した上で受験対象者数を減らし、定量評価しにくい試験で選抜する仕組みでは、公正ではない恣意的な採用の余地が発生しかねない。
- 民間試験の活用について、他の自治体で試験項目に民間のSPI方式を選択できるようにしており、採用試験は定量評価できる民間試験を選択肢に導入するなど、公正性と透明性を確保できる項目としていただきたい。
●職員採用における要望と提案④:公務員の社会人経験者採用について
- この5年で社会人経験者募集をしたのが平成29年度のみで、採用者数は1名とのこと。充足しているので採用する必要性がなかったのかもしれないが、一般行政職においても、多様な人材や、幅広いまたは専門の知見を持った人材を職員として迎え入れることは、行政サービスの改善や、職場の活性化に繋がると考える。
- 採用者数の平準化にも関連するが、一般採用は一定数に設定して、退職者補充を社会人経験者で採用するという考えも有効であると考え検討いただきたい。
◆「一般行政職の職員採用について(知多市職員採用)」(2021/03)◆
①「一般行政職の職員採用について」
(1)平成30年度から令和2年度までの採用実績について
① 年齢区分30歳以下の男女別受験者数、合格者数及び採用者数について
② 実務経験5年以上の社会人採用の男女別受験者数、合格者数及び採用者数について
(2) 職員採用試験の受験申込手続について
(3) 令和3年度の職員採用について
① 予定人数について
② 任期付職員等も想定したIT技術者等の社会人経験者採用の考えについて
◆質問
◆9番(川脇裕之)
皆様、こんにちは。
初めに、新型コロナウイルス感染症の対応に尽力されている全ての皆様に心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。感染警戒の状況が続きますが、引き続き健康に御留意いただき、医療・福祉分野をはじめ、各分野で連携して取組に当たっていただきたくお願いいたします。
それでは、さきの通告に基づきまして、一般行政職の職員採用についてと保育士及び幼稚園教諭の職員採用についての2件の質問をいたします。
先に1番目、一般行政職の職員採用について伺います。地方自治体の役割は、住民の皆様の御意見、御要望を伺いながら地域の課題に対して具体的な解決策を提示していくこと、そして、より充実したサービスを提供し続けていくことにあると考えております。住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う行政の仕事は、売買する製品やサービスが明確である民間企業と比べても人が担う役割が大きく、自治体にとって職員が事業の柱です。人材が大きな役割を担うからこそ、優秀な職員獲得に向けた取組が重要です。
私は、以前、平成30年9月定例会にて、職員採用について一般質問をいたしました。当時の採用試験では一般募集枠の中に一般教養試験を行わない採用試験を実施する一方で、年齢制限を厳しくするなど、試験内容を定性評価にして、年齢等で採用の入り口を制限しており、職員採用は機会均等と公正性を重視すべきであると問題提起しました。
あわせて、申込書類の受付方法について受験者本人に直接窓口へ申込書類を持参させて、提出時に書類の記載内容を確認して受付をする非合理的な運用について改善を要望いたしました。その後、年齢制限については25歳以下であった受験資格を30歳以下までに緩和。公正な試験については筆記試験を課していなかった自己推薦試験にSPI試験を導入、申込書類の受付方法については郵送提出を認める等の改善に取り組んでいただきました。
前回の質問から数年が経過して、元号も替わり、国を挙げて各自治体にデジタル化への対応が求められるなど、行政の仕事はますます多様化しています。令和2年12月に総務省が策定した自治体DX推進計画では、自治体において、自らが担う行政サービスについてデジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことが求められるとされております。デジタル化等に柔軟に対応しつつ、自主的かつ総合的に行政を担う優秀な人材を獲得するために、職員採用についてさらに改善できることがあると考えて質問いたします。
1点目、「平成30年度から令和2年度までの採用実績について」の
①つ目、年齢区分30歳以下の男女別受験者数、合格者数及び採用者数について
②つ目、実務経験5年以上の社会人採用の男女別受験者数、合格者数及び採用者数について
2点目、「職員採用試験の受験申込手続について」
3点目、「令和3年度の職員採用について」の
①つ目、予定人数について
②つ目、任期付職員等も想定したIT技術者等の社会人経験者採用の考えについて
以上をお伺いし、壇上からの質問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。
◆答弁
◎市長(宮島壽男)
9番 川脇裕之議員の御質問にお答えいたします。
御質問の1番目、一般行政職の職員採用についてでございますが、職員採用につきましては、優秀な人材を確保するため、従来の公務員志望の学生だけでなく、専門性を持った社会人経験者や民間企業を併願する学生も視野に入れた積極的な採用活動が求められております。
本市では、公務への理解を深めてもらうため、採用説明会やインターンシップを実施するとともに、一般教養試験を行わない自己推薦試験を導入しています。また、民間企業が広く採用している適性試験のSPIを活用するなど、受験しやすい試験を設け、従来の学力中心の試験に加え、面接等による人物重視の採用を行いながら、多様な人材の確保に取り組んでいるところであります。
御質問の1点目から3点目までにつきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
◎企画部長(岩田光寿)
御質問の1番目、一般行政職の職員採用についての1点目、平成30年度から令和2年度までの採用実績についての1つ目、年齢区分30歳以下の男女別受験者数、合格者数及び採用者数についてでございますが、平成30年度の受験者数は、男性34人、女性23人の計57人、合格者数は、男性10人、女性13人の計23人、採用者数は男性8人、女性12人の計20人です。令和元年度の受験者数は、男性53人、女性34人の計87人、合格者数は、男性13人、女性11人の計24人、採用者数は、男性13人、女性8人の計21人です。2年度の受験者数は、男性34人、女性29人の計63人、合格者数は、男性8人、女性6人の計14人、採用者数は、男性4人、女性4人の計8人です。
次に、2つ目、実務経験5年以上の社会人採用の男女別受験者数、合格者数及び採用者数についてでございますが、平成30年度は募集していません。令和元年度は土木・建築の経験者採用で、受験者数は、男性3人、合格者数1人、採用者数1人です。2年度は土木の経験者採用で、受験者数は、男性1人、合格者数1人、採用者数1人です。
次に、2点目、職員採用試験の受験申込手続についてでございますが、募集要項と申込書などの様式を職員課で受領または市ホームページからダウンロードし、手書きで記入して、卒業見込証明書等の必要書類を添えて、例年は職員課への原則持参による提出としています。今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、郵送による提出としました。
次に、3点目、令和3年度の職員採用についての1つ目、予定人数についてでございますが、職員の採用計画は募集要項を公表する5月に向けて、退職予定者や再任用職員の人数を確認し、行政需要を調査した上で決定していきます。3年度の職員採用は定年退職者12人を基準に、必要数を加減した人数を採用してまいります。
次に、2つ目、任期付職員等も想定したIT技術者等の社会人経験者採用の考えについてでございますが、自治体におけるデジタル・トランスフォーメーションの推進を図るためには専門的知見からデジタル化技術の導入判断やその助言等ができる人材が必要になります。国のデジタル・ガバメント実行計画では、デジタル庁が都道府県と連携し、市町村において複数市町村での兼務も含め、デジタル人材の任用等が推進されるよう支援の仕組みを構築するとされています。今後、人材の確保や任用方法も含め、その動向を注視しながら検討していきますので、よろしくお願いいたします。
答弁ありがとうございます。ただ今お答えいただいた内容について再質問をいたします。
◆再質問
【再質問①】
質問の2点目に関して伺います。
本市は、受験申込関連書類の受付を紙に限定しており、受験申込関連書類の電子データへの提供はPDFファイルのみです。
そこで、再質問の1点目、受験申込関連書類を紙及びPDFファイルのみで提供して、手書きで提出をさせている理由についてお伺いします。
◎企画部長(岩田光寿)
御質問の件につきましては、受験者の人柄や素養、志望意欲の高さを推しはかる1つの材料とするため、本人の手書きとしていますので、よろしくお願いいたします。
【再質問②】
PDFファイルは、特定の環境に左右されずに全ての環境でほぼ同様の状態で文章や画像等を閲覧できる特性を持つことが特長であり、一般的には閲覧を目的としているため、文字や図画を入力するには加工のハードルが高く、記入者にとって不親切なファイル形式であると考えます。特に本市は受験申込みに求める提出書類の職員採用候補者試験申込書(規定用紙)、自己紹介書(規定用紙)、職務経歴書(規定用紙)、健康チェックシート(規定用紙)の4書類を加工不能な形のPDFファイルで提供しており、実に不親切です。達筆であることは一つのすばらしい能力であり、美しい字が書ける方を個人的には尊敬しておりますが、行政の多くの仕事がPCを活用するものであることからも受験申込みに手書き書類を強制することが合理的であるとは思えません。
そこで、再質問の2点目、受験者に提出を求める受験申込関連書類を、加工が簡易なエクセル、ワード等の電子データにて提供する考えについてお伺いします。
◎企画部長(岩田光寿)
御質問の件につきましては、受験申込書類の提出の際には本人に直接持参していただき、簡単な受付面接を行っておりましたが、今年度はコロナ禍により、郵送で受け付けることにしました。
先日設置した本市のDX推進本部で行政手続のオンライン化を掲げましたので、採用試験の申込手続におきましても、データ化、オンライン化を検討してまいります。当面、申込手続はオンラインと郵送の併用とする予定ですが、郵送用にオンライン申込の入力フォームに沿って同等の内容が記入できるよう、試験申込書等の様式を見直し、エクセル、ワード等の電子データでの提供も考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【再質問③】
受験申込関連書類の紙での提出は、受付側にも管理や集計に手間がかかります。一方で、現状の行政ネットワーク運用の観点やセキュリティー等の懸念から、添付ファイルの受付をすることは現実に厳しいと考えます。そうすると、紙でアウトプットしたものを受け付けざるを得ません。そこで、ウェブの申込フォームを活用するのが最も効率的であり、受験者にとっても親切であると考えられます。実際に多くの自治体でインターネット経由で受験申込手続が完了する手法が取られており、県内では犬山市、豊橋市、春日井市等が愛知県電子申請届出システムを活用しております。
そこで、再質問の3件目、あいち電子申請・届出システム等、フォームを活用して職員採用のインターネット受験申込みを実施する考えについて伺います。
◎企画部長(岩田光寿)
御質問の件につきましては、受験申込手続のオンライン化に当たり、あいち電子申請・届出システムを一つの手段として検討していますので、よろしくお願いいたします。
【再質問④】
続いて、質問の3点目に関して伺います。
採用実績を伺うと、実務5年以上経験者、いわゆる社会人採用は募集人数も受験者数も採用者数も非常に少ない状況です。即戦力となる土木関係の業務経験やIT技術を有する人材の必要性は本市に限った話ではないと考えます。
他県の事例になりますが、広島県では社会人経験者を対象として5市町合同で土木職員採用試験を実施しております。これは採用を志望する自治体を3市町まで選択して、受験の申込みができる制度です。同様の職員合同採用試験の取組は千葉県の山武郡市の3市3町でも実施されております。他市や県と合同で社会人経験者採用を案内したり、実施したりすることは周知の拡大や応募者数増にも有効であると考えます。
そこで、再質問の4件目、他市町もしくは県・市合同の実務経験者社会人採用を検討する考えについて伺います。https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/42013.pdf
http://www.sanbukouiki-chiba.jp/kikakuzaisei/saiyousiken/R02-information.pdf
◎企画部長(岩田光寿)
御質問の件につきましては、市町村の公務員志望者は地元志向が強く、県や他市との合同による採用試験の実施は考えていませんが、DX推進に求められるデジタル人材の採用は他市町との兼務も想定されていることから、他市町との合同による人材確保の検討も必要と考えていますので、よろしくお願いいたします。
それぞれの答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ要望を申し上げます。
◆要望
◆9番(川脇裕之)
それぞれの答弁、ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。
受験申込みにつきましては、電子化、オンライン化を検討するとのことですので、受験者と採用者側の双方がデジタル化によるメリットを享受できる運用を実施していただきたくお願い申し上げます。
次に、デジタル人材の活用については自治体DX推進計画の実施に向けて迅速な対応が必要であると考えます。応募者の立場では従来の雇用期間の定めのない勤務条件の採用が望ましいものの、本市の財政状況や人件費の観点から有期雇用で対応していくことも検討していかなければならないと考えます。自治体DX推進計画ではデジタル人材の確保、育成のために、新たに市町村が外部人材を雇用する場合の経費について、特別交付税措置を実施するとされています。また、ほかの自治体では3年程度の任期付職員の募集を実施している事例も見られます。求人市場では任期付職は雇用期間に定めのない無期雇用職より需要が小さくなりますので、給与等の勤務条件を工夫するとともに、募集案内や採用試験を県や他市町と合同で実施することを検討いただきたいと思います。
このようにして、ICT活用、DXの専門性を有し、即戦力となる人材を採用することで、住民の利便性向上と行政運営の効率化に向けた行政のデジタル化に取り組んでいただきたくお願いいたします。
◆「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について(知多市職員採用)」(2024/06)◆
令和6年(2024年)6月議会(第3回定例会)一般質問
知多市議会議員 川脇裕之
「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について」
(1) 退職者数について
①過去10年の職員数及び定年退職者数について
②過去10年の普通退職者数について
(2)職員採用の実績について
①過去10年の受験者数及び採用者数について
②インターンシップの詳細及び実施状況について
(3)社会人経験者採用の実績について
①過去10年の募集人数、受験者数及び採用者数並びに採用者の年代について
②選考のフロー及び内容について
◆質問
皆様、おはようございます。先の通告に基づきまして「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取り組みについて」質問いたします。
地方自治体の役割は、住民の皆様の意見、要望を伺い、地域の課題に対して具体的な解決策を提示していくこと、そして、より充実した行政サービスを提供していくことであると考えております。住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う自治体の仕事は、売買する製品やサービスが明確である民間企業と比べても人が担う役割が大きく、人材こそが最大の財産と言っても過言ではありません。自治体にとって職員が事業のかなめであります。
そのような中で、昨今の報道等において「自治体の採用難、若手の離職」が問題として指摘される機会が増えているように感じます。
総務省の「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」によると、(※1)
2022年度(令和4年度)の地方公務員の受験者数は約43万8千人、競争率は約5.2倍でした。10年前の2012年度(平成24年度)の同受験者数は約60万1千人、競争率は約8.2倍であり、受験者数は長らく減少傾向が続いている一方、合格者数はなだらかな増加傾向。これに伴い、競争率についても減少傾向が続いており、低水準に留まっている。
と総括されています。
新聞社の報道でも、毎日新聞(2024年3月8日号)の記事「自治体の採用難 45都道府県採用予定数割れ」(※2)によると、「2023年度に47都道府県が実施した職員採用試験で、採用予定数を満たす合格者を全ての職種区分で確保できたのは、大阪府と兵庫県にとどまり、45都道府県で「採用予定数割れ」が生じていた」ことが判明した。とのことです。
近年、少子化による受験者母数の減少だけでなく、待遇格差などから、大手民間企業との競合もあり、優秀な人材の獲得競争は激化しています。先ほど申し上げたデータによれば、自治体全体の採用試験の受験者数は10年間で3割近くも減少しており、採用難は近年にかけて急速に悪化している状況です。
また、新卒採用の受験者数の減少だけでなく、自治体職員の早期退職も課題として挙げられます。総務省の「令和3年度 地方公務員の退職状況等調査」(※4)によると、教員や警察などを除く一般行政職のうち、2022年度に主に自己都合で仕事を辞めたのは1万2501人。2013年度は5727人とのことですので、約10年で2.2倍となっています。2022年度の普通退職者の年齢別は、30歳未満が4244人で13年度比2.7倍、30歳以上40歳未満が4173人で同3.1倍となり、若手の増加が顕著であるとのことです。
私が、日々、市役所に登庁している際に感じる肌感覚では、本市庁内での若手や女性の職員の割合は、近年増えたように感じますが、自治体職員の採用難や早期退職の現象は、全国的な課題として浮かび上がってきており、住民サービスの土台である自治体職員の担い手不足は社会全体の課題として捉える必要があります。これを解決するためには、現状の具体的な課題を明らかにするとともに、有効な対策を打っていかなければならないと考えます。
私は以前、2018年9月議会で「一般行政職における職員採用について」一般質問を実施し、本市が従来実施していた、採用試験申し込み時の、受験者本人に直接窓口へ申込書類を持参させる手続きなどについて、問題提起し、その後、郵送及びインターネットの申し込みを受け付ける等の改善が図られました。また、社会人経験者採用枠の拡大を提案し、即戦力となる様々な経験や能力、専門性を持った人材の確保が必要であり、社会人経験者の採用をしていくとの方針を確認いたしました。その他、受験資格の年齢制限緩和や、採用選考における公正性の確保などの提案を実施しました。
今回の一般質問では、職員採用と退職の現状や課題を明らかにするとともに、さらに有効な対策として取れる手があるのではないかと考えて、「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について」伺います。
(1) 点目は退職者数についてです。
自治体職員の定年は、国家公務員の定年を基準として、本市でも「知多市職員の定年等に関する条例」で定められておりますが、定年退職及び、普通退職、いわゆる早期退職の実態を確認いたしたく、
①つ目、「過去10年の職員数及び定年退職者数について」
②つ目、「過去10年の普通退職者数について」伺います。
次に、(2) 点目は職員採用の実績についてです。
本市では、大学を卒業、または卒業見込みの方を対象として、いわゆる新卒相当採用を毎年実施しておりますが、実績を確認いたしたく、
①つ目、「過去10年の受験者数及び採用者数について」
男性と女性の内訳も含めて伺います。
また、本市では、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校に在学中の学生を対象としてインターンシップを実施しておりますが、
②つ目、「インターンシップの詳細及び実施状況について」伺います。
次に、(3) 点目は社会人経験者採用の実績についてです。
本市では定期的に社会人経験者を公募して採用活動を実施しておりますが、実績を確認いたしたく、
①つ目、「過去10年の募集人数、受験者数及び採用者数並びに採用者の年代について」
②つ目、「選考のフロー及び内容について」伺います。
以上、壇上からの質問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。
◆答弁
◎市長
ご質問の1番目、「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について」でございますが、少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が社会的課題となる中、行政サービスの根幹を担う職員の人材確保及び人員充実の重要性は従前にも増して高まっています。そのため、本市では、採用説明会やインターンシップなどを通じ、就職先としての魅力を発信するとともに、従来の学力に重点を置いた試験に加え、面接等による人物重視の自己推薦試験を導入しています。
また、インターネットによるオンライン申込みを実施するなど、受験しやすい環境整備にも取り組んでいるところであります。ご質問の1点目から3点目までにつきましては、企画部長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
◎企画部長
(1)退職者数について
①過去10年の職員数及び定年退職者数について
ご質問の1番目、「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について」の1点目、「退職者数について」の1つ目、「過去10年の職員数及び定年退職者数について」でございますが、職員数は、
平成26年度 293人、27年度 296人、28年度 304人 、29年度 308人、30年度 311人 、令和元年度 321人、2年度 325人 、3年度 315人、4年度 316人、5年度 319人です。
定年退職者数は、平成26年度 13人、27年度 18人、28年度 15人、 29年度 24人、30年度 24人、 令和元年度 17人、2年度 2人、 3年度 12人、4年度 2人、 5年度 3人です。
②過去10年の普通退職者数について
次に2つ目、「過去10年の普通退職者数について」でございますが、平成26年度 5人、27年度 3人、28年度 6人、29年度 3人、30年度 1人、令和元年度 5人、2年度 8人、3年度 4人、4年度 9人、5年度 11人です。
(2)職員採用の実績について
①過去10年の受験者数及び採用者数について
次に、2点目、「職員採用の実績について」の1つ目、「過去10年の受験者数及び採用者数について」でございますが、
平成26年度の受験者数は142人、採用者数28人、そのうち男性17人、女性11人、
27年度の受験者数は93人、採用者数 22人、そのうち男性9人、女性13人、
28年度の受験者数は133人、採用者数23人、そのうち男性12人、女性11人、
29年度の受験者数は160人、採用者数28人、そのうち男性19人、女性9人、
30年度の受験者数は81人、採用者数 26人、そのうち男性13人、女性13人、
令和元年度の受験者数は98人、採用者数21人、そのうち男性12人、女性9人、
2年度の受験者数は70人、採用者数10人、そのうち男性6人、女性4人、
3年度の受験者数は75人、採用者数11人、そのうち男性2人、女性9人、
4年度の受験者数は121人、採用者数 16人、そのうち男性5人、女性11人、
5年度の受験者数は99人、採用者数15人、そのうち男性7人、女性8人です。
②インターンシップの詳細及び実施状況について
次に2つ目、「インターンシップの詳細及び実施状況について」でございますが、インターンシップ制度は、学生の職業意識の向上及び市政に対する理解の促進を図ることを目的に実施しているもので、受入手続等の詳細は、知多市インターンシップ実施要綱に規定しています。
例年4月に、受入職場の一覧を示してインターンシップを希望する学生を募り、申込みのあった学生の希望を考慮して、受入職場を調整した上で、受入れの可否を決定しています。
申込みに際しては、申込書に、当該学生が本市でインターンシップを希望する理由や受入職場名等を記載していただくほか、大学等記入欄において、インターンシップにおける単位認定の有無、インターンシップに向けた事前学習の有無等を記載してもらい、受入れの参考としています。
過去5年間の受入決定者の実人数は、元年度 9人、2年度 4人、3年度 16人、4年度 8人、5年度 13人です。
(3)社会人経験者採用の実績について
①過去10年の募集人数、受験者数及び採用者数並びに採用者の年代について
次に3点目、「社会人経験者採用の実績について」の1つ目、「過去10年の募集人数、受験者数及び採用者数並びに採用者の年代について」でございますが、平成26年度は募集をしていません。
27年度は、追加募集において「土木」の区分で募集人数は若干名、受験者数0人でした。
28年度は募集をしていません。
29年度は、「土木・建築」の区分で募集人数2人、受験者数2人、採用者数1人で採用者の年代は20代でした。
30年度は募集をしていません。
令和元年度は、「土木・建築」の区分でA日程では募集人数2人、受験者数0人、
B日程では募集人数は新卒者及び社会人経験者を合わせて4人、受験者数1人、採用者数1人で採用者の年代は40代でした。
D日程では「土木」の区分で、募集人数は若干名、受験者数2人、採用者数0(れい)人でした。
2年度は「土木」の区分でA日程では募集人数は新卒者及び社会人経験者を合わせて3人、受験者数1人、採用者数1人で採用者の年代は30代でした。
B日程では募集人数は新卒者及び社会人経験者を合わせて3人、受験者数0人でした。
3年度から5年度までは募集を行っていません。
②選考フロー及び内容について
次に2つ目、「選考のフロー及び内容について」でございますが、直近で採用実績のある令和2年度の状況で申し上げますと、広報ちた及び市ホームページで募集を周知し、5月1日から17日間、受付を行いました。
受験申込手続としては、まず受験者が、募集要項と申込書などの様式を入手し、手書きで記入の上、卒業見込証明書等の必要書類を添えて、職員課の窓口へ持参又は郵送により提出していただきました。
選考の内容については、第1次試験では5月31日に市役所で個人面接及び論文試験を実施、第2次試験では6月9日からの10日間のうちに受験者にてSPI適性検査を受験するとともに、6月20日に市役所で個人面接を実施、第3次試験では7月2日に勤労文化会館で個人面接を実施しましたので、よろしくお願いいたします。
◆再質問
答弁ありがとうございます。それでは、答弁を踏まえ、再質問いたします。
①定年に達する前に離職する、普通退職者数についてお答えいただきましたが、
●再質問①件目:「普通退職者の年代について」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
平成26年度は20代が2人、30代が1人、50代が2人、
27年度は20代が2人、50代が1人、
28年度は20代が3人、30代が2人、50代が1人、
29年度は30代が2人、50代が1人、
30年度は20代が1人、
令和元年度は20代が2人、30代が1人、50代が2人、
2年度は20代が2人、30代が1人、40代が2人、50代が3人、
3年度は20代が1人、30代が1人、50代が2人
4年度は30代が3人、40代が2人、50代が4人
5年度は20代が3人、30代が4人、40代が1人、50代が3人
ですので、よろしくお願いいたします。
②次に、職員の定年については、2023年4月施行の「国家公務員法等の一部を改正する法律」に準じて、地方公務員である市職員も段階的に65歳に引き上げられることになりましたが、見通しを確認いたしたく、
●再質問②件目:「今後5年の定年退職予定者数について」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、現在、定年年齢の段階的な引上げ期間中であり、1年おきに定年退職者が生じない状況にあります。そのため、
令和6年度の定年年齢は61歳で
定年退職予定者数は5人、
7年度の定年年齢は62歳で
定年退職予定者数は0人、
8年度の定年年齢は62歳で
定年退職予定者数は2人
9年度の定年年齢は63歳で
定年退職予定者数は0人
10年度の定年年齢は63歳で
定年退職予定者数は2人ですので、よろしくお願いいたします。
③次に、職員採用の実績を確認すると、直近10年の一般行政職の職員数は300人前後からやや増加の傾向にあると分析できます。一方で、新卒相当の採用者数は増えたり減ったりと一貫性がなく、職員採用の人数に大きなばらつきがあることがわかります。そこで、
●再質問③件目:「新卒相当の職員採用人数の方針について」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、職員の採用計画に基づき、採用人数を打ち出しており、退職予定者や再任用職員の人数を確認し、行政需要を調査した上で決定していますので、よろしくお願いいたします。
④次に、引き続き職員採用の実績について伺います。
本市では近年、女性の採用数や採用割合が増加しており、直近5年の採用においても、男性32人に対して、女性41人と採用に占める女性の割合が約56%と半数を超えています。
これは、「男女共同参画白書 令和5年版」(※5)のデータである、令和3年度(2021年度)の地方公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合、都道府県では、全体で39.3%、うち大学卒業程度で37.7%。直近5年の35%~40%という数字と比較しても多い比率です。
女性が働きやすい環境の整備が進み、本市で活躍する女性公務員の数や割合が増加傾向にあることは望ましい状況ですが、出産や育児によって一時的に職場を離れる機会もあるかと存じます。そこで、
●再質問④件目:「育児休業の取得者数について」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、育児休業の取得者数は、平成30年度から令和4年度までの各年度に新規取得した人数でお答えしますと、
平成30年度は13人、
令和元年度は11人、
2年度は16人、
3年度は19人、
4年度は21人
ですので、よろしくお願いいたします。
⑤次に、引き続き職員採用の実績について伺います。本市では、一般行政職の大多数を占める事務の区分の他に、理工情報や、土木建築といった技術職を職種の採用区分として、設定しております。そこで、
●再質問⑤件目:「理工情報及び土木建築の職種区分の募集人数と採用人数について」
伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
各年度の一般募集又はB日程の状況で申し上げますと、
理工情報は、
令和3年度から募集を開始しており、
3年度は募集人数3人、採用人数0人、
4年度は募集人数3人、採用人数1人、
5年度は募集人数3人、採用人数1人、
土木建築は、
平成26年度は「土木・建築・機械・電気」の区分で募集人数3人、採用人数6人、
27年度は「建築」の区分で募集人数1人、採用人数0人、
「土木」の区分で募集人数 2人、採用人数0人、
28年度は「土木」の区分で募集人数2人、採用人数0人、
29年度は「土木・建築」の区分で募集人数2人、採用人数1人、
30年度は「土木・建築」の区分で募集人数2人、採用人数1人、
令和元年度は「土木・建築」の区分で募集人数は新卒者及び社会人経験者と合わせて4人、
採用人数0人、
2年度は「土木」の区分で募集人数は新卒者及び社会人経験者と合わせて3人、
採用人数1人、
3年度は「土木」の区分で募集人数3人、採用人数0人、
4年度は「土木」の区分で募集人数3人、採用人数0人、
5年度は「建築」の区分で募集人数3人、採用人数0人、
「土木」の区分で募集人数3人、採用人数1人ですので、よろしくお願いいたします。
⑥次に、私は、2018年9月議会での「一般行政職における職員採用について」の一般質問において、本市が受験資格の年齢要件を、従来の30歳までから25歳までに引き下げたことについて、年齢や学歴で採用の入り口を狭める変更は、機会均等に逆行しており、是正すべきであると問題提起しました。そこで、受験資格の年齢要件を確認いたしたく、
●再質問⑥件目:「事務の区分の各年度の受験資格年齢制限について」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
平成26年度から28年度までは30歳まで、
29年度及び30年度は25歳まで、
令和元年度及び2年度は、A日程では25歳まで、B日程では30歳まで、
3年度から5年度までは30歳までですので、よろしくお願いいたします。
⑦引き続き、受験資格年齢について伺います。
2007年6月に成立、公布された「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律」(※6)により、当時の雇用対策法第10条、現在でいう「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」第9条において、それまで努力義務であった募集・採用に係る年齢制限の原則禁止が義務化されました。この規定は、公務員は適用除外とされているものの、改正法の附帯決議に、「国家公務員及び地方公務員についても、民間事業主への義務化を踏まえ、本改正の理念の具体化に向け適切な対応を図ること。」という文言が盛り込まれました。
他の自治体の地方公務員や国家公務員の採用でも、受験資格に一定の年齢制限を設けるのが慣例となっておりますが、本市のように年度や採用日程によって、受験資格年齢の上限を30歳から25歳に引き下げるという運用は、目にしたことがありません。以前の一般質問で問題提起した通り、受験資格を25歳以下に制限して20歳代後半の方々の受験機会を奪うことが、公正で有益な取り組みであるとは思えません。
これは、2007年6月に閣議決定された「規制改革推進のための3カ年計画」(※7)においても、「現行採用試験の受験年齢制限を撤廃しないまでも、大幅な引き上げは行うべきである」と提言されており、受験資格年齢を25歳以下に限定することや、採用年度によって制限に差を設けることは不適切な取り組みであると考えます。そこで、
●再質問⑦件目:「一般行政職の受験資格年齢を、2021年度(令和3年度)以降実施の条件である30歳、もしくはそれ以上を上限とすることを原則として、25歳以下という年齢制限を課さない方針とする考えについて」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
平成29年度及び30年度の全日程並びに令和元年度及び2年度のA日程においては、一般行政職の事務の区分において、受験資格年齢制限を25歳までとしておりましたが、3年度以降は30歳までとしております。
また、事務の区分以外の職種では、それ以上の年齢までとしております。
職員採用において、内定辞退を始めとする採用不足が深刻化している現状においては、現在の受験資格年齢制限を引き下げる予定はありませんが、職員の年齢別構成の適正化を図る観点から、見直す場合も有りうると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
⑧次に、再質問の②件目と③件目にも関連しますが、職員採用の実績について再度伺います。
退職予定者や再任用職員の人数を確認して行政需要を調査した上で採用人数を決定しているとのことですが、2017年度の28人に対し、2020年度は10人と、採用人数が3分の1近くに減るなど変動の幅が非常に大きくなっております。
私は以前の一般質問でも、単に毎年の退職者相当数の補充という観点で採用を行うのではなく、採用人数を平準化する計画を立てることを提案いたしました。これは、職員の入れ替わりが頻度を増すと、年齢構成の偏りが生じるだけではなく、業務の引継ぎや縦横の連携といった観点でも望ましくないという考えによるものです。
そして、現在、段階的な定年延長に伴う新規採用者への影響等が懸念されています。総務省の報告書においても、(※8)
「総職員数を変えず毎年の退職者数等の補充を行うことを基本とした採用とは異なる対応も必要」
「地方公務員を志望する者を安定的に確保する観点からも採用者数を一定程度平準化することが望ましい」と指摘されております。
また、複数の自治体から「採用人数を平準化して一定の職員新規採用を継続的に実施する」との方針が示されております。(※9)
本市では団塊の世代にある職員の退職に対し、新卒相当の大量採用で補充したため、今後の新規採用に大きな影響を与えかねないと危惧しております。そこで、
●再質問⑧件目:「新卒相当の安定的な採用者数の確保及び採用者数の平準化を図る考えについて」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、定年延長の段階的な引上げ期間中により、1年おきに定年退職者が生じない状況にある中、年齢構成の隔たりを抑制することは必要であると考えております。
そのため、単年度のみならず、複数年度間における退職予定者及び再任用職員の見通しを踏まえ、新卒者採用の平準化を検討するなど、一定の新規採用者数を継続的に確保できるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
⑨次に、本市のインターンシップ制度について、受験資格と関連して伺います。
職員採用の募集要項である知多市職員採用試験案内を確認すると、
・令和7年(2025年)4月採用までの受験資格は「大学を卒業、または卒業見込みの方」
と受験資格の学歴を大卒以上に限定しておりました。
一方で、インターンシップの対象者は、「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校に在学中の学生」とされております。私は先に述べた以前の一般質問で、学歴で採用の入り口を制限する変更は、機会均等に逆行すると問題提起して改善を提案しましたが、インターンシップ対象者である短期大学及び高等専門学校の学生に、職員採用の受験資格を与えないという不整合が生じる事態となっております。そこで、
●再質問⑨件目:「職員採用の大卒以上の受験資格を緩和して、短期大学及び高等専門学校の卒業者に受験資格を与える考えについて」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
今年度のA日程までは大卒以上としていましたが、より多くの人材に本市の採用試験を受験していただけるよう、今年度のB日程から、短期大学、高等専門学校等を卒業又は卒業見込みの方についても、受験資格を認めておりますので、よろしくお願いいたします。
⓾次に、社会人経験者採用の実績に関連して伺います。
以前の一般質問でも、即戦力となる様々な経験や能力、専門性を持った人材の確保は必要であるとして、社会人経験者採用を実施していくとの方針を確認いたしました。しかし、お答えいただいた直近10年の実績を確認すると、募集14人に対して、採用2人と、採用数を充足できていないだけでなく、受験者数も十分に確保できていない実情が見えてきます。
令和3年12月総務省公表の「地方公務員の職員採用方法の多様化について」(総行公第152号)(※10)によると、2020年度(令和2年度)に中途採用試験を実施した地方公共団体数は906(対前年度+112)、受験者数は98,455 人(対前年度+44,430 人)、採用者数は8,331 人(対前年度+1,991人)、及び採用倍率が11.8 倍(対前年度+3.3 倍)となっています。このデータからも求職者や転職希望者の地方公務員の中途採用へのニーズは決して小さくないことがわかります。
しかしながら、実績に照らしてみると、本市は、社会人経験者採用を効果的に実施できていないことがわかります。他の自治体の例を挙げると、人口規模は異なりますが、神戸市は社会人経験者の採用を拡大するために、2023年度より
「一般行政職での中途採用の割合を5割に高める」
「中途採用における募集時期を年2回から12回、試験日程も年2回から4回に増やし、転職者にとって試験を受けやすくする。これにより、実質的に通年募集を実現する。」(※11)
といった取り組みを実施しております。
行政職に占める中途採用職員の割合が15%で、全国トップの佐賀県では、令和5年度民間企業等職務経験者試験において、(※12)
東京都内での試験会場を選択可能とし、面接試験に平日と休日を合わせて4日の日程を準備するなど、転職者にとって試験を受けやすくする取り組みを実施しております。
しかしながら、本市では、例えば令和2年度のA日程の実績では、募集期間が5月の17日間と短く、市が指定する3日間、面接等で本市内の指定会場を訪れて選考を受けねばならないなど、受験者に負担のかかる取り組みであり、実際に受験者が1名しか確保できておりません。
社会人経験者採用の公募に係る情報が潜在的希望者に届いていない懸念については後ほど伺いますが、本市職員志望者の受験機会のハードルを下げることが受験者確保に繋がると考えます。そこで、
●再質問⑩件目:「社会人経験者採用について通年募集をする考え、及びWEBエントリーやWEB面接等を導入して本市試験会場への訪問回数を減らす、受験日を複数日から選択できるようにするなど、受験しやすい選考のフローや日程とする考えについて」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
通年募集については、本市の職員採用試験は、募集から合格決定までを概ね5月から7月までにかけて行うA日程、6月から8月までにかけて行うB日程の2つの日程を基本として、さらに高卒消防を主対象として9月から10月までにかけて行うC日程、採用人数が確保できない場合などに11月から1月までにかけて行うD日程を実施するなど、ほぼ通年で採用活動をしているため、これとは別に通年募集をする考えはありません。
また、WEBエントリーについては、あいち電子申請・届出システムを活用したオンラインでの受験申込みを導入しておりますが、現在のところ、WEB面接等を導入する考えはありません。
しかしながら、他自治体の取組を参考に、受験者の利便性の向上と、採用選考の公正性の確保が図られる、より効果的、効率的な試験方法を検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
⑪引き続き、社会人経験者採用の実績に関連して伺います。
受験者数を十分に確保できていない実績に鑑みますと、社会人経験者採用の募集に係る情報がターゲットである転職希望者に届いていない可能性があると考えます。これは本市に限った課題ではなく、全国町村会の第3274号論説(※13)においても、早稲田大学の稲継裕昭(いなつぐひろあき)教授から、「自治体同士で人材の奪い合いになるのを防ぐには公務員志望のパイ自体の拡大が必要だ」との指摘もなされております。
実際に、複数自治体間における共同採用方式として、「奈良県・市町村土木職員採用共同試験」(※14)といった取り組みを実施している事例もあります。こうした取組には、単独で募集しても応募者が集まりにくい自治体にとって周知がしやすい。受験者にとって一度の受験で複数の自治体を併願可能。といったメリットがあるとされています。
本市単独で社会人経験者採用の公募を効果的に実施することは、コストや稼働の面からも難しいと考えます。このことは他地域においても共通の課題となっていることを踏まえ、広域で職員の公募や採用活動を実施することは有効な施策であると考えます。そこで、
●再質問⑪件目:「愛知県や近隣自治体と連携した社会人経験者採用活動を検討する考えについて」伺います。
◎企画部長
ご質問の件につきましては、
県及び近隣自治体と連携した採用活動の検討が必要な分野もあると考えており、引き続き、調査・研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆要望
答弁ありがとうございました。それでは、答弁いただいた内容を踏まえ、要望を申し上げます。
最初に職員採用の受験資格年齢制限につきまして、質問で申し上げた通り、年度によって受験資格年齢を25歳以下に限定することは、妥当性や合理性の観点だけでなく、公平性の観点からも問題であると考えます。現在の年齢上限を引き下げる予定はないとの確認が取れましたが、今後も受験資格年齢を25歳以下に見直すことをしないよう慎重な検討を実施願います。
次に、新卒者採用の平準化を検討するなど、一定の新規採用者数を継続的に確保できるよう努めることが確認できましたが、定年退職予定者数はほぼ正確に見積もることができる数字です。年度毎に退職者相当数を補充するのではなく、年齢構成に配慮するためにも、できるだけ採用者数の平準化を図る計画を立てることが必要であると考えます。次期の「定員適正化計画」改定に向けても、これまでの採用活動や採用者数の検証や評価の実施を求めるとともに、併せて安定的な新規採用者数の確保を実施願います。
最後に、技術職の採用及び社会人経験者採用についてです。近年、多くの自治体で技術職が不足している状況であるため、本市に限った事象ではありませんが、社会人経験者採用や技術職の公募で受験者を確保することができず、採用予定者数を充足できていないことは問題であると考えます。老朽化する公共施設の維持管理や、地方行政のデジタル化などにおいて、技術職の果たす役割は大きく、円滑な行政運営のために技術職員は欠かせません。
株式会社ワンキャリアが2024年1月に実施した「公務員に関するアンケート調査」(※15)によると、「公務員を志望している・志望していた理由について」の質問への回答は、上位から順に
1番目が「社会の役に立ちたいから」
2番目が「安定しているから」 3番目が「地元で働きたいから」であったとのことです。
東京都心だけでなく、都市部の不動産価格は歴史的高値水準にあります。進学や就職で地元から都市部に移った社会人が、不動産価格や子育て環境を考慮し、地元地域で働きたい、安定した職に就きたいと考えることは少なくありません。こうした方々が地方公務員を有望な転職先と捉えるケースもあり、これにより生まれる需要をうまく取り込んでいく必要があると考えます。
社会人経験者採用のより効果的、効率的な試験方法を検討すること、県及び近隣自治体と連携した採用活動の調査・研究をすることが確認できましたので、「求職者や転職希望者が受験しやすい試験方法への改善」や「県及び近隣自治体と連携した採用活動」を積極的に実施するなど、技術職の人員充足に向けた具体的な取り組みを実施願います。
以上、「一般行政職職員の人材確保及び人員充実に向けた取組について」の要望を申し上げて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
【参考資料】
●(※1)「令和4年度地方公共団体の勤 務条件等に関する調査」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei11_02000219.html
●(※2)自治体の採用難 45都道府県「採用予定数割れ」
https://mainichi.jp/articles/20240307/org/00m/010/015000d
●(※3)「なり手不足の地方公務員 7割で競争倍率低下、活路探る」
https://career.nikkei.com/nikkei-pickup/002621/
●(※4)「令和3年度 地方公務員の退職状況等調査」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000853644.pdf
●(※5)「男女共同参画白書 令和5年版」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r05/zentai/html/honpen/b1_s01_03.html
●(※6)「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律」
https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000110344
●(※7)「規制改革会議重点事項推進委員会公開討論資料」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/minutes/wg/2007/0518/item_070518_01.pdf
●(※8)「定年引上げに伴う地方公共団体の定員管理のあり方に関する研究会報告書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000822031.pdf
●(※9)
「新規採用職員の採用人数平準化について(安中市)」
https://www.city.annaka.lg.jp/uploaded/attachment/2470.pdf
「津島市定員適正化計画」
https://www.city.tsushima.lg.jp/shisei/syokuinsaiyou/teiinkeikaku.files/R5teiintekiseikakeikaku.pdf
●(※10)
「地方公務員の職員採用方法の多様化について」(総行公第152号)(総務省)
https://www.soumu.go.jp/menu_hourei/tsutatsu/t_tsutatsu.html
●(※11)「神戸市が中途採用5割に 23年度から通年募集、政令市初」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF21A5J0R21C22A2000000/
●(※12)「令和5年度民間企業等職務経験者試験」(佐賀県)
https://saga-saiyou.net/detail-mid-career-r5/
●(※13)「地方自治体の担い手不足―若者の公務員離れ」
https://www.zck.or.jp/site/column-article/26511.html
●(※14)奈良県・市町村土木職員採用共同試験
https://www.pref.nara.jp/42115.htm
●(※15)「公務員に関するアンケート調査」(株式会社ワンキャリア)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000035321.html
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匿名 (日曜日, 07 10月 2018 02:18)
採用試験の持参エントリーは不便でしたので改善されてありがたいです。それでも、ネットエントリーできないって昭和の慣習かよとウンザリした気持ちになります。
川脇裕之(管理者) (日曜日, 07 10月 2018 21:09)
>#1様
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、エントリーの情報を受け付けするのにどうして紙で提出する必要があるのか?紙書類への直筆記入という慣習には私も辟易しておりますが、郵送受付がされることにより、応募者の負担は少しは改善できたと考えております。利便性向上のためにネット申込含め引き続き改善を促して参ります。